1 内観とは

内観とは

当サイトで扱う内観とは簡単に言えば『自分と向き合い、不要なブロックを手放すこと』を言います。ブロックとは『自分で自分に課している制限』のことで、『認知バイアス』などと呼ばれることもあります(ブロックについてはこちらの章で詳しく触れます)。

外側でなく内側を見る

私たちは人生で多くの悩みや問題に突き当たります。そんな時、私たちの多くは「相手はどうしてこんなことをするんだろう」「自分の何がいけないのかな」「どうして私の人生にこんな嫌ことが起こるんだろう」と考えてしまいます。この時人は、原因を『外側』(相手、自分の行動、環境)などに見ている状態です。

これに対して、内観では『人生のすべての出来事は、自分で引き起こしている』という考え方をとります。『あらゆる出来事は、自分の内側に理由があって、その繁栄として外側の出来事が起きている』と考えるのです。

現実に起きた出来事の理由を、外側でなく自分の内側に探すこと。

これが『内観』です。

具体的には、悩みや問題に対しては『この問題を、私は何のために引き起こしてもらっているのか』『本当はうまくいくはずなのに、わざわざうまくいかせないように自分は周りにお願いしているとしたら、その理由は何だろう?』という角度で考えるのです。

内側を見るメリット

「内側を見る」というと「外側を見るのがいけないの?」と感じる場合があるかもしれませんが、けしてそういうわけではありません。そこに優劣はありません。ただし、理解していただきたいのは、『外側に原因を置くと、それは自分で解決できないものなってしまう』ということです。なぜなら、人間は、自分の外側の出来事をコントロールすることができないからです。

また、外側に理由を探すと「誰が悪いのか」「何がいけないのか」という犯人探しになることがほとんどです。そう言った形の問いは、たいていの場合、自分や周りを傷つけ、何かを排除しようとする考えて繋がってしまいやすいです。

対して、原因を自分の内側に見つけることができると、自分で対処することができるようになります。自分の行動や考え方なら自分の意志で変えることができるからです。内側を見ると、何事に対しても、主体的にとらえることができるようになるため、自分の人生を「自分の力で」生きている感覚が得られるようになっていきます。

内側を見るってどういうこと?

「内側を見る」と言っても、抽象的な話では、今一つ分かりにくいと思いますので、ここからは例を挙げてお話ししましょう。

例えば、あなたがいつも、【自分のやりたいことを邪魔されてしまうようなことばかり人生に起きる】とします。

外側を見る考え方であれば「どうやったら相手を説得できるか(対相手)」「やりたいことをなぜ私ばかりができないのか(対自分の人生)」などと考えることが多いと思います。

しかし内観では、先にお話しした通り「どうして自分は相手にわざわざ邪魔をしてもらっているのだろう」「邪魔をしてもらうことで何か得をしているはずだ」と考えるのです。

この考え方の話をすると、多くの人は驚きます。そして「私は、本気でやりたいと思っています」「邪魔してほしいなんて思ってません」とおっしゃいます。

しかし、あなたが自分のことを理解しているのは、「顕在意識」の部分のみ。人間の意識には、自分で自覚できる「顕在意識」と、自分でも自分が何を考えているかはわからない「潜在意識」があります。顕在意識の割合はせいぜい4-7%程度(様々な説があります)で、その他は自分では自覚できない潜在意識です。つまり私たちは「自分で自分が何を考え、何を求めているのか、ほとんど理解できていない」のです。

人間の思念は非常に強く、思っていることは基本的に叶います。ですから、顕在意識で「やりたい、邪魔されたくない」と思っていても、それが叶わない場合は、潜在意識にそれより強い「やりたくない、邪魔されたい」という思念があるわけです(この「やりたくない、邪魔されない」という思念が「ブロック」です)。

「邪魔をしてもらってるとしたら得をすること」…そのような視点で考えるといろいろな答えが出てきます。

「やりたいと言っているけれどそもそも本気じゃない」「本当は始めるのが怖いから、誰かに邪魔をしてもらっている」「やりたいことをやった場合、もしうまくいかなければ『自分の実力がない』ということが露見することになる。それが恐ろしいから、他の人に邪魔をしてもらうことで、チャレンジする機会そのものから逃げている」「邪魔される行為によって、相手からの愛情やつながりを強く感じている」など、理由は人によって様々です。この理由を「ブロック」と呼びます。

ブロックの中には、必ず『自分が自覚していない感情』が隠れています。恐怖や不安、愛されていないのではないかという恐れなどです。今まで抑圧していたそれらを適切に消化することができると、ブロックを手放すことができ、『現実的な支障』も同時になくなっていくのです。

内観とは「自分の目の前の問題や支障」を手掛かりに、「自分はどんな思念を隠し持っているのか」を謎解きしては手放す、そんな作業とも言えるでしょう。

 

ブロックがあるなら、願望とは「逆」の思いが必ずある

さて、人は実に多くのブロックを、潜在意識に隠し持っています。

口では「人にわかってもらいたい」と言いながら、潜在意識では「わかってもらうと都合が悪い。自分は特別な存在でいたい」と思っていたら、「分かってもらえない」現実が来ます。表面的には「好きなことをしたい」と考えていても、潜在意識では「好きなことをしたら人に迷惑がかかる」と考えていたら、「好きなことをしようとしてもなぜかできない」という現実がやってくるのです。

問題は外側にはありません。うまくいかないのであれば、答えは必ず、あなたの潜在意識の中にあります。人は本当は何もかもスムーズにうまくいかせることができるのにもかかわらず、様々な思念から、問題や試練をわざわざ自分から引き寄せては、自分を制限しているのです。

本当はいつでも与えられ、どんなときでも愛されているのに、それがうまく届かないのは、あなた自身にブロックがあるためなのです。そこを見つめなおさなければ、同じような問題が繰り返し起こるだけなのです。

 

『全ては自分が望んで引き起こしている』

 

この考えをもとに、目の前の出来事を紐解くと、今までとは違った発見がたくさん出てきます。

自分に起こったあらゆることが愛で出来ていること、そして、辛いことや悲しいことも、ボタンの掛け違いによって起こったことであることが理解できるようになります。そして、それがしっかりと腑に落ちると自分の考え方がひとりでに変わっていきます。そして、あなたの世界を作っているのはあなたの潜在意識ですから、あなたの現実もそれに対応して変わっていくことでしょう。

このサイトでは、あなたが「自分という存在を紐解くヒント」として、内観のやり方や、それに必要な知識を体系的にお知らせしていきます。

内観の流れ

まずはスタンダードな内観の流れを簡単に説明します。(詳細は第3章にて説明します)

 

「内観」においてのスタートとなるのは、「①現実的な支障」です。

ここでの支障とは、例えば「やりたいことがあるのにうまくことが進まない」「何度も同じような目に合う」「とてもモヤモヤする」「過ぎたことなのに何度も考えて精神的に引きずってしまう」「非常にストレスのかかる出来事が何度も起こる」というようなとき。こんなときは内観によって自分を見つめなおすチャンスです。

では、内観をすると決めたら「②掘り下げ」の作業に入ります。

起きた出来事を「人生に起こることはすべて自分が引き起こしている」という視点で分析し、「ブロック」を見つけ出します。なお、ブロックとは「自分で自分を縛っているルールや思い込み」のことです。これに関しては、こちらの章で詳しく説明します。

続いて「③手放し」を行います。

②でブロックを特定することができていれば、それだけでも、ある程度のすっきり感が得られているはずです。しかし、まだモヤモヤがあったり、すっきりしきらない感覚があれば、これをさらに深く掘り下げて「手放し」をします。

そして、最後に行うのが「④行動」です。

ここまでで適切な手放しができていると、この時点ですでに「掘り下げる前の時の自分」とは視点や考え方が変わっているはず。その時点で改めて、自分でどうしたいかを決め、そのための「必要な行動」を行います。あs

内観のポイント3つ

次に、内観をするうえで心掛けるべき、重要な3つのポイントについてご説明します。

まずは、「①最後には必ず『愛』に行きつく」ということ。

目の前のことに悩んだりモヤモヤしているときは、「自分や相手のどこかが悪い」「何かが足りない」などの『犯人捜し』の思考になっていたり、「自分は愛されていない」「大切にされていない」などの『自分に価値がない』という前提で答えを探してしまっていることが多いです。

しかし内観にあたっては『まだ自分にはよくわからなくても、最終的には愛や安心感しか出てこないんだ』という気持ちを強く意識して行ってください。

また、内観をしていると「恐ろしいものが出てくるのではないか」という必要以上の不安や恐怖が湧いてくることもありますが(詳細は「ブロックの抵抗」を参照してください)、実際に最後まで手放しができた人はみな「恐れていたようなことは全然なく、終わってみたらなんだこんなものか、みたいな気持ちになった」と話してくださいます。

次に「②脳の使い方をスイッチする」

これについては「今までとは、考える角度や思考のパターンを意識的に変える」ということです。

人はどうしても慣れ親しんだ思考パターンに戻ろうとしてしまいます。また、内観がうまく進まないと「自分は向き合えていないからダメだ」「ブロックがある自分ではいけない」という気持ちになってしまうこともあるかもしれません。しかし、それこそが『ここでこの解釈をしていることそのものが、ブロックの思うつぼ』と捉え、別な考え方を探してみてください。

すぐには新しい思考パターンは身に付きませんが、「今の考え方を変えてみる」「見方や角度を変えてみる」「今感じていることや思っていることを一度疑ってみる」というように、『使い方をスイッチする』意識を持っていただけると、進めやすくなります。

最後に「③自分に始まり自分に終わる、相手に求めない」ということ。

内観を行って、特定の相手に対するブロックが外れたとき、人は「よし、これでもう何もかも解決した!」と思いこんでしまうことがあります。その勢いで愛情表現をしたら、てっきり相手に受け止めてもらえると思っていたのに、思うような反応が得られず、傷ついてしまう…という例は、実は内観をしていると意外とよくあることです。

しかし、「相手が特定の反応をしてくれないと傷つく」というのは、実は最後まで手放しできていない証拠でもあります。なぜかというと「相手がこうしてくれないと傷つく」というのは、『自分の幸せを相手の反応に依存させている状態』であるからです。

ですから、もし「受け入れてもらえていない」と感じた時には、まだ内観する余地があるということ。「自分が相手の何かを受け入れていない」ということを疑ってみてください。

人は、本当に手放せていると「自分の責任で言いたいから言うけども、相手がどのような反応をしようとまあいいか」と思えるような境地に至ることができます(もちろん、傷つきはしますが、必要以上に心を乱されることはなくなります)。特定の大切な誰かに対する内観をする場合は、ここに至ることを一つの目安としてください。

 

Posted by momokami